連棟式建物とは、複数の住宅が横につながり、隣家と壁などを共通にしている建物のことです。
一般的な戸建てのように各住戸に玄関があっても、建物の一部が隣家とつながっているため、建替えや修繕、住宅ローンの利用などで注意が必要になる場合があります。
こんにちは!ミカタ不動産の平田です。
中古住宅を探していると、「連棟式建物」や「連棟式戸建」という言葉を見かけることがあります。
今回は、その特徴やメリット・デメリット、購入前に確認したいポイントを不動産屋の目線で解説します。
すでに所有している方に向けて、売却時の注意点もご紹介します。
連棟式建物とは、2戸以上の住宅がつながって建てられた建物です。
隣家との間に独立した外壁がなく、壁などを共通にしている場合があります。
連棟式建物は、一般的に「長屋」や「テラスハウス」と呼ばれる住宅と重なる概念です。
国土交通省の住宅調査では、長屋建を複数の住宅が一棟につながって建てられたものとして整理しており、テラスハウスも長屋建に含まれます。
各住戸が別々に屋外へ出入りできる点が特徴です。
参考:国土交通省住宅局「平成25年住生活総合調査(速報集計)結果」
ただし、連棟式建物という呼び方だけで、登記や所有権の形態まで決まるわけではありません。
購入する際は、実際の建物の構造と登記内容を確認する必要があります。
それぞれの特徴を簡単に整理してみましょう。
| 建物の種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 一般的な戸建て | 建物が独立しており、修繕や建替えは主に自分の敷地・建物の条件によって判断する |
| 連棟式建物 | 隣家と建物がつながっており、修繕や建替えで構造や権利関係の確認が重要になる |
| マンション | 一棟に複数の住戸があり、共用部分の管理や修繕は管理規約などに従って行う |
連棟式建物は、住み方は戸建てに近くても、建物の扱いでは隣家との関係が重要になる住宅です。
連棟式建物には、一般的な戸建てとは違った魅力があります。
連棟式建物は、同じエリアの独立した戸建てと比較して、価格が抑えられている場合があります。
土地や建物がコンパクトだったり、建替えや融資の条件が価格に影響していたりするためです。
ただし、連棟式だから必ず安いとは限りません。
価格だけで判断せず、将来の修繕費や利用上の制約まで含めて検討することが大切です。
連棟式建物は、各住戸に独立した玄関が設けられていることが一般的です。
共用廊下を使わずに出入りできるほか、専用の庭や駐車場がある物件もあります。
マンションよりも戸建てに近い暮らしを希望する方にとって、選択肢の一つになります。
もちろん、庭や駐車場の有無、利用上の制限は物件ごとの確認が必要です。
私が連棟式建物で特に注意してほしいと考えるのは、購入後に建物をどう維持していくかという点です。
価格や室内の状態だけでなく、将来の工事まで考えておきましょう。
連棟式建物は、隣家と建物の構造がつながっている場合があります。
そのため、自分の住戸だけを解体して建て直そうとしても、独立した戸建てのように工事を進められるとは限りません。
構造上の安全性に加えて、建築基準法への適合や土地の権利関係などの確認が必要です。
ただし、連棟式建物だから必ず再建築不可というわけではありません。
建替えの可否は、建築士や建築行政の担当部署などへ個別に確認する必要があります。
自分の住戸だけを解体する場合、隣家の壁や屋根を傷めたり、建物の安全性に影響したりする可能性があります。
また、解体後に隣家側の壁を補修するなど、追加工事が必要になることも考えられます。
確認したいのは次の点です。
隣家の同意が必要かどうかも、権利関係や工事内容によって異なります。
「自分の所有部分だから自由に解体できる」と考えず、計画段階で専門家へ相談しましょう。
隣家と壁や構造を共有している場合、生活音や振動が伝わることがあります。
また、屋根や外壁の接合部分などに不具合が発生した際、修繕する範囲や費用負担について確認が必要になる場合があります。
購入前には室内だけでなく、屋根や外壁、雨漏りの履歴、修繕状況なども確認したいところです。
連棟式建物では、建物の構造だけでなく、敷地が建築基準法などの条件を満たしているかも重要です。
建築基準法では、原則として建築物の敷地が同法上の道路に2m以上接している必要があります。
ただし、法令上の例外や地域の条例による追加条件などもあります。
連棟式建物の場合、現状で一体的に利用されている敷地を住戸ごとに分けると、接道条件を満たさなくなることも考えられます。
そのため、今の建物が建っていることと、将来自分の住戸だけを建て替えられることは別に確認しなければなりません。
連棟式建物では、登記や権利関係の確認も欠かせません。
例えば、次のような違いがあります。
区分所有建物の場合は、共用部分の扱いや管理に関する規約なども確認が必要です。
一方、住戸ごとに独立した登記があっても、建築上の独立性まで保証されるわけではありません。
登記事項証明書だけでは分からないこともあるため、建築確認関係の資料や現地の状況もあわせて確認しましょう。
連棟式建物でも、住宅ローンを利用できる場合があります。
ただし、金融機関によって審査基準が異なり、一般的な戸建てより確認事項が増える可能性があります。
特に確認されやすいのは、次のような点です。
金融機関によっては、担保評価や融資条件の面で制約が生じる場合もあります。
そのため、購入を検討する際は、売買契約の前に金融機関へ物件資料を提示して相談することをおすすめします。
連棟式建物を検討するときは、価格や間取りだけでなく、次の点を確認しましょう。
すべての項目を自分で判断する必要はありません。
不動産会社に加えて、必要に応じて建築士、土地家屋調査士、司法書士、金融機関などに確認することが大切です。
連棟式建物も売却できます。
ただし、建替えや融資に制約がある場合、購入を検討できる人が限られる可能性があります。
売却前には、土地・建物の登記事項証明書、建築確認関係の資料、接道状況、修繕履歴などを整理しておくとよいでしょう。
また、解体して土地として売るのか、建物を残したまま売るのかでも、確認事項が変わります。
建替えが難しい物件では、現状の建物を利用したい方への売却なども検討することになります。
連棟式という理由だけで売却を諦めたり、安い価格で売り出したりする必要はありません。
まずは物件の条件を整理して、売却方法を考えることが大切です。
一般的に、テラスハウスは連棟式建物や長屋建住宅の一種です。
ただし、名称だけで建物の登記形態や所有権の内容は判断できません。
いいえ。必ず再建築不可になるわけではありません。
建物の構造、接道、敷地の権利関係、建築基準法などの条件によって異なります。
必ずしもそうではありません。
ただし、共有部分への工事や隣家への影響がある場合には、同意や協議が必要になることがあります。
利用できる場合があります。
金融機関や物件の条件によって審査結果が異なるため、事前に確認しましょう。
安く売り出されている場合もありますが、一律には言えません。
立地、建物の状態、権利関係、建替えの可否などを踏まえて比較する必要があります。
連棟式建物は、一般的な戸建てより購入価格を抑えられる場合があり、戸建てに近い暮らしができる魅力があります。
一方で、将来の建替えや解体、修繕などでは、隣家との関係や建物の構造が重要になります。
私が中古住宅の購入で大切だと考えているのは、今の生活だけでなく、将来その建物をどう維持し、どう処分できるかまで考えることです。
これは一般的な中古戸建てにも共通しますが、連棟式建物では特に意識したい部分ですね。
購入や売却を検討していて、土地や建物の条件について不明なことがあれば、ミカタ不動産までお気軽にお問い合わせください。
物件の所在地や登記事項証明書、販売資料などがあれば、相談内容を整理しやすくなります。
売却をご検討の方はこちら。
ではでは(^^)/